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小説「平成ネオンモス。」小豆モチ・著

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「平成ネオンモス。」小豆モチ・著
書籍|新書判
全114P
1,000円
2023/10/30発行
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【小豆モチ Profile】
頭のネジが外れ気味な旅好きひきこもりフェミニスト。お調子者の鬱。リモート農家。パ・リーグビギナー。猫好きの虚弱体質。夜型人間。遺伝子学的にはM8型北方漢民族の系譜らしい。シルクロード! 千葉ロッテ、楽天イーグルス。グレープカンパニー推し。
小豆モチSNS→https://lit.link/azukimoti

「純SFファンタジー都会派ライトノベル。」
【あらすじ】
「詩人になり言葉を売って暮らす」という安直な夢は叶わず、貧困生活から抜け出すため神保町の悪徳訪問販売会社「フジヤマ商事」に入社した円谷きり。きりは社長の息子で元ホストの富士山陸のサディスティックなパワハラ指導により、社内で指折りの訪問販売員に成長した。学生時代、詩の同好会で知り合った恋人・純哉は新人文学賞を受賞。一方で、きりは毎日外を徘徊し、他人の玄関先でとめどない嘘を吐いて暮らす。 純哉の華々しい作家デビューに複雑な想いを抱きながらアパートで彼の帰りを待つきり。土まみれの姿で帰宅した純哉。2人はその夜、スズメダイたちの前で大喧嘩をする。 暑い日の昼下がり、都市郊外の駅前の映画館で古い映画を観た後に訪れた営業先できりが対面したお客はまさかの…。そしてきりとスズメダイたちは男の盗んだ車に乗せられ北へ向かう。逃避行の末にきりが遭遇したのは…。

(本文より)
女の疲れ目の裏を、毳々しい毛色のウサギたちがゆっくりと跳んでいく。一羽、二羽、三羽……。そうだ、女は思った。ウサギの目って業務スーパーで売られているいちばん安いいちごジャムに似ている。ペクチンでギリギリまで薄め、水あめで甘さを加えたそれを水晶体の裏に注射針で注入すると、視界がいちごジャムで甘く味つけされて見える仕組みについて、あたし急いで特許を取っておきたい。ぼやぼやしていたら言葉はあっという間に感度の良い人間の所有物になり、拡散拡散で人々の視覚を刺激し、イイね!イイね!の肯定祭りが始まる。

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